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「チルドレン」は伊坂幸太郎さんの連作短編小説で、5つの物語が書かれています。 物語の中心人物は陣内という男で、やることなすことめちゃくちゃな人間です。 しかし、そのめちゃくちゃな行動が何故か良い方向へと導く結果になってしまうんです。 5つの物語は語り手が違います。 友達の鴨居、同僚の武藤(武藤は2回語り手になる)、最初の物語で出会った盲目の永瀬、永瀬の彼女。 この4人から見た陣内とのエピソードが語られています。 むかつくのにどこか格好よくて惹きつけられてしまう、そんな魅力が陣内にはあります。 天衣無縫な陣内に嫉妬ですw 5つの物語は時代が行ったり来たりしていて、そして少しずつ繋がるところがあって、それに気づく瞬間も楽しかったです。 また、1つ1つの物語もしっかり作られていて面白かったです。 PR |
「アヒルと鴨のコインロッカー」は伊坂幸太郎さんの5作目です。 この小説では、現在と二年前の話が交互に少しずつ語られていきます。 現在の語り手は、大学入学のためにアパートに引っ越してきた「椎名」。 椎名はアパートの隣人「河崎」に出会い、いきなり本屋の強盗に誘われます。 目的は1冊の広辞苑。 そんなおかしな話に椎名は乗ってしまい、何故か本屋を襲ってしまいます。 2年前の語り手は、ペットショップのアルバイト「琴美」。 琴美はプータン人の「ドルジ」と、ペットショップで飼っていて行方不明になった柴犬「クロシバ」を探しています。 その途中、猫の交通事故に遭遇します。 琴美とドルジは、死んでしまった猫を立ち入り禁止の公園に埋めます。 そして、その公園で3人の若者を見ます。 この2つの物語が、徐々に交錯し、1つの物語になっていきます。 2つの物語に散りばめられた点が、繋がって線となり、その線によって引き寄せられていくような感じでした。 そして、1つの物語として全てが繋がった時、私の目からは涙が流れました。 ちなみに、今回は「陽気なギャングが地球を回す」の響野の妻である祥子が、椎名の回想等で登場しました。 |
「重力ピエロ」の語り手である、泉水は遺伝子関係の会社に勤めています。
さらに、泉水の父は癌で入院しています。 そのため、遺伝子等についての説明がいくつか書かれていました。 私は元々、生物が好きだったので、とても興味深かったです。 そういえば、誰にでも癌細胞はある、ということを知っていますか? 私にも、あなたにも、癌細胞はあります。 では、なぜ生きていられるのか? それは、癌化して修復できなくなった細胞が自殺をするからです。 これを「アポトーシス」と言います。 アポトーシス - Wikipedia このアポトーシスを誘導する「p53遺伝子」というものがあります。 p53遺伝子 - Wikipedia p53遺伝子は癌抑制遺伝子の1つです。 癌患者の半数は、このp53遺伝子に変異が認められます。 その変異が起こる一例が喫煙です。 煙草に含まれるベンゾピレンという発癌物質がp53遺伝子に変異を起こす可能性があります。 アポトーシスやp53遺伝子は小説で出てきます。 伊坂さんの小説ではこういう知識もたくさん取り込まれていて、私が好きである理由の1つとなっています。 他にも、「テロメア」が出てきます。 テロメアは中学か高校で教わったので、懐かしい気持ちでした。 テロメア - Wikipedia では、最後に一言。 「煙草って恐ろしい」 |
「重力ピエロ」は伊坂幸太郎さんの4作目です。 語り手の泉水、弟の春、父と母、この4人の家族が物語の軸となっています。 連続放火、そして放火と対になっている出現する暗号のようなグラフィックアート。 泉水、春、そして父はこの事件の謎を解き明かそうとします。 一体、この事件の真実とは何なのか・・・? 真実が解き明かされる時、何が見えるのか・・・? テーマが少し重いので、最初に読む伊坂さんの本としてはお勧めしません。 でも、重いからこそ、人間の強かったり脆かったりする感情がはっきり伝わってくるのかもしれませんね。 そして、それは「家族の絆」とういうものについても同様です。 私は、序盤で事件の謎、物語の大筋がわかってしまいました。 最近、伊坂さんの小説ばかりを呼んでいる所為なのか。 それとも、先が読めやすい伏線をわざと散りばめているのか。 おそらく後者です。 もちろん、大筋がわかったからといって、つまらなかったわけではありません。 むしろ、逆でした。 それがどう展開するのか、どう表現されているのか。 泉水は、春は、どう向き合っていくのか。 先がわかるからゆえに、気になって気になって・・・ 気がついたら午前の3時まで読んでましたw 一番驚いたのは、物語の最後の1文を読み終えた瞬間です。 さーっと視界が広がっていくような爽快さを感じました。 物語の全てが最後の1文に集約されています。 私はそこから「神様のレシピ」という言葉を思い出しました。 本当に感動しました。 物語には、前の作品の登場人物である、「ラッシュライフ」の黒澤、「オーデュボンの祈り」の伊藤も登場しました。 黒澤は相変わらずで、ラッシュライフをすでに読んでいる人はきっと笑ったでしょう。 泉水が黒澤に、カウンセラーに向いていると言った時は噴き出してしまいましたw 物語の中には偉人達の言葉もたくさんあり、そんなところも私は好きです。 やっぱり、伊坂幸太郎さんの作品は面白いです。 |
「陽気なギャングが地球を回す」は伊坂幸太郎さんの3作目です。 嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、正確な体内時計を持つ人。 この特殊な能力を持った4人が銀行強盗をします。 そして、ある時の銀行強盗で思いもよらない出来事が起こります。 その結末とは・・・。 この4人は特殊な能力を持っているだけではなく、性格も個性的です。 そんな4人のやり取りが笑いのツボにはまってしまい・・・、まさか、小説でこんなに笑うとは思いませんでした。 全体の流れもきっちりまとまっていて、一見偶然に見える出来事でもしっかりと理由がついていました。 そして、それらが繫がっていく鮮やかさは「ラッシュライフ」を思い出させました。 よくよく考えてみると、「オーデュボンの祈り」もそうだったなぁ。 そう思いながら本書にある解説を見てみると、 「前半の200枚を2度も没にして、3度目でようやくスムーズに物語が流れるようになった」 と書いてありました。 書いては直し、書いては直し・・・。 その努力の結果が、この鮮やかな物語なのでしょうね。 なお、「陽気なギャングの日常と襲撃」という続編も出ています。 読むのが楽しみです。 |
「オーデュボンの祈り」は伊坂幸太郎さんのデビュー作です。 登場人物はラッシュライフよりも個性的です。 殺人を許された男、嘘しか言わない画家、・・・そして、未来が見えて言葉を喋るカカシ。 個性的すぎて違和感を感じるのではないかと思いましたが、舞台が江戸以来外界から遮断されている島とあって、全然問題ありませんでした。 それどころか、これから何が起こるのだろうという期待感が増しました。 一番最後のオチはなかなか予想外なもので、「え、そんなもの?」と一瞬思いましたが、よくよく考えてみると大事なもの、重要なものって案外そういう身近にあるものなんだな、と納得しました。 この物語には「リョコウバト」という鳥が出てくるのですが、実在したんですね。 いや、絶滅してしまっているので、もう実在していませんが。 リョコウバト - Wikipedia 50億羽も生息していたので、乱獲しても大丈夫だと思ったんでしょうね。 狩猟はスポーツ感覚で行われていたという記述もあります。 しかし、繁殖期が数年に一度で卵を1つしか産まないとなれば、どんどん数は減っていきます。 そして、絶滅・・・。 なんだか、悲しい気持ちになりますね。 |
あまり小説は読まないんですが、この本を呼んで衝撃を受けました。 小説ってこんなに面白いものだったのか、と。 ラッシュライフでは、5つの物語が並走して進んでいきます。 そして、その5つの物語は巧妙に絡み合い、お互いの物語に影響を及ぼしていきます。 ある物語の主人公が、別の物語では脇役となってその物語に影響を与えます。 全ての人生は繋がっているのです。 そうして繋がった物語は、最後に1つの物語となります。 人生という名のパズルのピースが1枚の壮大な「絵」を完成させるのです。 この鮮やかさに鳥肌が立ちました。 伊坂幸太郎さんの1作目、「オーデュボンの祈り」も読みたくなりました。 ちなみに、ラッシュライフは2作目です。 |
Javaを始めました。
2年前になかなか進まなくて、そのまま放置してしまった本を見ながら勉強です。 2年前に挫折しておいて言うのもなんですけど、やっぱり結城浩さんの本はわかりやすいです。 あの頃はオブジェクトの「オ」の字も理解していなかったからなぁ。 今はどんどん読み進められます。 練習問題もあっさりできました。 Genericsも使っちゃったりして、意外と覚えてるもんだなーと。 こんなことで喜んでたら先が思いやられますがw 久々に違う言語やってみるっていうのも、気晴らしになっていいですね。 なんか、純粋にプログラミングが楽しめます。 あ、そうか、これって、久々に数学やる感覚と似てるんだ。 新しい知識を身につけるのも楽しいけど、眠りかけている知識を叩き起すのも楽しいもんですね。 |
社会人になってからでは、初めて新たに買い始めた漫画です。
主人公のコユキが素晴らしい。 一見、普通なのだけれど、実は行動力があります。 その行動力が、誰も気づいていなかったコユキの才能を目覚めさせることになります。 才能、幸運、チャンス、それらが神から与えられたとしても、受け止めるだけの力がなければいけません。 コユキは行動力でそれらをものにしていきます。 もちろん、失敗もたくさんします。 しかし、最終的には失敗もコユキにとってプラスに働いていきます。 成長していくコユキの格好良さに震えました。 また、他のキャラクターも個性的です。 それぞれのキャラクターに一人一人違った魅力が感じられます。 個人的には平くんが好きです。 そして、ライブ。 もちろん、漫画なので音なんか出ません。 それなのに、ライブの緊張感や迫力が伝わってきます。 感動して泣きそうになりました。 実はまだ12巻までしか買っていません。 すでに連載は終了していて、次に出る34巻で終わりみたいです。 残りを読むことが今一番の楽しみです。 あと、もろに影響されてギターを再開しました。 気長に頑張りますw |
この本では、まず多くの成功本に書かれているようなことを否定するところから始まります。 そして、その変わりにたった1つの目標を勧めてくれます。 ”試してみることに失敗はない”この言葉を聞いて、すぐにエジソンが思い浮かびました。 エジソンは、実験の失敗を恐れませんでした。 なぜなら、失敗することで、この方法では上手くいかないんだということがわかるからです。 つまり、失敗することで知識を深めることができています。 だから、失敗は成功なのです。 しかし、「試してみることに失敗はない」という言葉の意味はこれだけではありません。 より多くの深いメッセージが込められています。 そのメッセージを実際の成功例を参考に教えてくれます。 また、物語形式なので理解がしやすいです。 タイトルだけを見ると社会人向けのように感じますが、自分を変えたいという意志を持っている人であれば学生・社会人問わずに読む価値が十分にある本です。 |
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